気が早いのを承知のうえで、今年を定義づける特徴を占ってみよう。私の眼に映るのは、資本主義の退潮である。もう一歩踏み込んで、社会主義の復権と言い換えてもよい。
経済体制には財産所有と資源配分の二面があって、その両面で技術革新の波が資本主義に襲いかかっている。その帰結と含意を考え始めたほうがよいのではないかという気がしてならない。
所有については、資本主義は財産の私有を基本とする。当たり前に聞こえるが、チャーチルからサッチャーまでの英国は基幹産業を国有していた。日本も、ガバナンス改革を通して企業の私有化を徹底する途上にあるが、「企業は社会の公器」という社会主義の発想が色濃く残っている。
所有権や利用権の移転先を決める資源配分に際しては、最も高い値をつけた相手に移転する価格メカニズムを基本とするのが資本主義である。日本は電波帯域や空港の発着枠の配分を霞が関の審議で決めているが、それは社会主義のやり方である。
周知のとおり、資本主義は1990年代に完全勝利を収めることになった。スターリンや毛沢東の体制が解体の憂き目を見て、社会主義の実験が失敗に終わっただけではない。純粋資本主義を是とする米国が、社会主義の要素を一部に残す日本の挑戦を大勢として退けたからである。
ところが、ここに来て米国に異変が起きている。所有についてはシェアリング、配分についてはプランニングが、地殻変動を引き起こしている。共に資本主義の弱点に商機を見いだしている点が共通しており、実に興味深い。
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