タブレットやスマートフォンに筆記する電子ペン(スタイラスペン)が普及してきた。紙とペンを代替する日は来るのか。自社ブランドやOEM(受託製造)で電子ペンを手掛けるワコムの井出信孝取締役に聞いた。
──電子ペンが普及してきました。
ここ2〜3年で潮目が変わってきた。これまで電子ペンはイラストレーターなどプロ向けが柱で、ワコムもここに注力してきた。
だが昨今は、米アップルがかつては否定していた電子ペンを発売するなど、一般向けの市場が熱い。ワコムが電子ペンを供給する韓国サムスンのスマホ「ギャラクシーノート」も、2017年発売のモデルはこれまで以上にペンの機能が前面に押し出されている。
ワコムの業績を見ても、17年4〜9月期における電子ペンやセンサーのOEM事業は、売上高が前年同期比で30%近く伸びた。納入先の企業数、1社ごとの受注数も増加している。
現在の電子ペン市場は未成熟だ。年率110%で成長するともいわれるが、持続的成長を想定するのはまだ早い。ただ、中期的に見れば爆発的に普及する時期が来る。
8万円の電子文房具を独モンブランが発売
──サムスンや米グーグルなど電機・IT企業のみならず、伝統的な文具メーカーとも手を組んでいますね。
独モンブラン、独ステッドラーなど、文具メーカーの関心は高い。彼らは手書きに長い歴史と誇りを持っている。それをデジタル時代にどう活用するのかを模索している。モンブランの場合、ワコムのOEMで、紙に専用のペンで書いた文字をデジタル化する商品を発売した。価格は8万円超と高価だが、ブランドのファンから受け入れられている。
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