「経済が上向いてきたとはまったく感じられない。消費者の低価格志向はさらに強まっている」──。カジュアル衣料を扱う中堅アパレル企業の幹部はため息をつく。
2017年秋に発表されたアパレル各社の中間決算は、下方修正のラッシュだった。婦人服からカジュアルまで、まさにアパレル不況の様相だ。ただ、原因は低価格志向だけではない。ネット通販の台頭など、消費行動の多様化も背景にある。
矢野経済研究所の調べでは、16年の国内アパレル市場規模は2年連続で縮小。06年と比べ約1割減となり、少子高齢化が進む中、市場は縮み続けている。

アパレル不況のあおりを真っ先に受けたのが、オンワードホールディングスや三陽商会といった百貨店向けの老舗企業。赤字ブランドの廃止をはじめとする改革を進め、業績は回復傾向にあるものの、かつての水準への復活には程遠い。
さらに、若い女性向けのトレンド感のあるカジュアル衣料を強みにした企業の不振も目立つ。代表例が、ショッピングセンターを軸に「グローバルワーク」などの中価格帯ブランドを展開するアダストリア。不調だった夏物を値引き販売で処分し、18年2月期は営業減益となる見込みだ。海外勢でも、「フォーエバー21」などファッション性の高いカジュアルブランドの一部は苦戦を強いられている。
リアル店舗では、ユニクロを展開するファーストリテイリング、無印良品の運営会社である良品計画など、主力アイテムの値下げなどが功を奏し、既存店売上高が前年比プラスを維持する企業もある。ただ、それらはむしろ例外だ。
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