国内百貨店首位の三越伊勢丹ホールディングス(HD)が試練に直面している。
顧客の消費トレンドの変化などに対応できず、収益柱の婦人服を中心に苦戦を強いられ、2016年度は売上高が前年割れとなった。続く17年度は、株高を背景に高額品販売が好調に推移。訪日外国人客の増加で関連需要も拡大しており、追い風が吹くようにも見える。伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店、三越銀座店の基幹3店舗は、17年4月から11月までの累計売上が前年同期実績を上回った。
ただ、富裕層消費は株価に連動する傾向にあり、いつ反転してもおかしくない。訪日客需要も移ろいやすい。そもそも復調しているのは首都圏店舗が中心で、地方店は苦境が続く。インターネット通販が急拡大するなど、外部環境も厳しさを増すばかりだ。
こうした状況を受け、同社では現在、構造改革を断行中だ。17年4月に就任した杉江俊彦社長は、11月の会見で、「足元の業績は順調だが、このまま未来に向かっていける体質ではない。収益体質の強化を進めたうえで、事業構造の転換に取り組みたい」と語った。
収益強化に向けては、20年度に営業利益350億円(16年度実績比46%増)の中期目標を掲げる。不採算事業の整理や人員削減などで120億円規模の利益を捻出する算段だ。
具体策のない成長戦略 17年度最終赤字も
具体的には、赤字を垂れ流してきたスーパー「クイーンズ伊勢丹」運営子会社の株式66%を18年3月末に投資ファンドに売却する。債務超過だった子会社、小売り・専門店業態の「マミーナ」も17年度末に事業を終了し、18年度中に清算する。ただ、ほかの赤字子会社や、地方店舗の対策については「現時点では決めたものはない」(杉江社長)と、課題を抱えたままだ。
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