液化天然ガス(LNG)の市場構造が大きく変わろうとしている。米国ではシェールガスの生産拡大を背景に、LNG輸出基地の完成が2019年にかけて相次ぐ。その生産能力は、年約6000万トン(稼働済みを含む)と、世界最大の輸出国であるカタール(年7962万トン/16年)に迫る。2000年代後半に始まった「シェール革命」の影響が、LNG輸出市場にも及ぼうとしている。
「米国のLNG基地稼働が世界市場に及ぼす影響は大きい」と話すのは、東京ガスの山田善久・原料部原料統括担当部長。「原油価格をベースにしたアジア市場とは異なる指標による取引が本格化する」からだ。
日本が輸入しているLNGの価格は14年後半以降、半値近くまで下落しており、現時点に限ると米国産LNGの輸入価格はむしろ割高だ。ただ、「米国産は原油価格との連動性が低く、油価高騰時に調達コストを抑える効果がある」(山田部長)。
米国産取引のもう一つの特徴が、「仕向け地自由」だ。中東や東南アジア産などこれまで多くの契約では、受け入れ先の港や国を取り決め、それ以外の場所への輸送を制限してきた。米国産ではそうした制約がない。
そのため日本よりも欧州市場でLNGの価格が相対的に高い場合には、欧州向けに仕向け地を変更することも可能だ。
東京電力と中部電力が共同出資した火力発電・燃料調達会社JERAの垣見祐二社長は、「北米、欧州、アジアと三つに分かれていた市場が、世界規模で統合されていく。18年はLNG市場大変革の最初の年になる」と予想する。
市場の変化を踏まえ取引見直しに着手
米国産輸入の本格化は、日本企業を新たなステージに導く。
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