空前の人手不足となっている。3月の有効求人倍率(季節調整値)は全国で1.45倍と、バブル期の水準に上昇。失業率は2.8%(3月)まで低下し、完全雇用の状態とされる。理論的には、完全雇用の状態になれば賃金は上昇する。実際、非正規雇用を中心に賃金は上昇傾向だ(図表1)。
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4月末には日本経済団体連合会が2017年春闘の第1回賃金回答を発表。大手の賃上げ額は全業種平均で7155円(前期比2.18%増)と4年連続で2%を超えた。ただし、大手企業の定昇は2%を超すとされ、ベースアップの実施は広がっていないとみられる。
日本銀行の黒田東彦総裁は、「労働需給が一段と引き締まり、マクロ的な需給ギャップがさらに改善するにつれて、賃金の上昇などを通じて、物価上昇率が高まっていく」としている。
だが、労働需給の逼迫に比べ、賃金の伸びはさほど大きくない。特に正社員・大企業では賃金上昇があまり見られない。
その理由についてBNPパリバ証券の河野龍太郎・チーフエコノミストは、「人手不足下でフルタイムの労働者が採用できず、高齢者・主婦・学生などの短時間労働者が増えたことで、月給ベースの賃上げ率が押し下げられている」と話す。
また、「終身雇用が中心の大企業では、経営側だけでなく労働組合や従業員も会社の存続を第一に考え、大幅な賃上げを要求しない傾向がある」とも指摘する。
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