日本銀行は4月、日本経済の潜在成長率の推計方法を見直した。その結果、足元の潜在成長率は従来の0%台前半から0%台後半に改定された。
潜在成長率とは、その国の経済が景気変動に関係なく、どのくらい成長可能なのかという実力を示すものだ。実力ベースの経済規模のことを潜在GDP(国内総生産)という。
図表1のように、日銀の見直し後の潜在成長率は2012年度から従来の水準よりも上昇している。
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その要因の一つとなったのが、労働力率の持続的な上昇だ(図表2)。12年末からの景気拡大を機に、定年後再雇用制度による高齢者の労働参加や共働き女性の増加が顕著に進んだためだ。
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従来の日銀による潜在成長率の推計方法では、こうした労働力率の上昇は反映されていなかった。景気拡大に伴う一時的な労働参加の増加ととらえていたため、景気循環とは関係のない潜在GDPの推計では除外していた。
日銀は今回の見直しでは、現在の高齢者や女性の就業拡大は、人口動態やライフスタイルの変化を背景とした持続的なものであると解釈した。そこで労働力率上昇を構造的な変化として、推計に取り込んだ。これにより潜在成長率は約0.2ポイント上振れしたわけだ。
一方で潜在成長率の推計において、労働力関連ではもう一つの見直しを行った。高齢者や女性のパートタイム労働が拡大したことや長時間残業の見直しによって、昨今は1人当たり総労働時間の減少が顕著となっている。これも今回、構造的な変化として取り込むように修正したのだ。これは逆に潜在成長率を0.1ポイント弱下振れさせる。先の労働力率上昇による上振れと合計すると、近年の労働力の構造変化は潜在成長率には最終的に0.1ポイント強の上振れ要因となった。
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