名古屋を中心に愛知、岐阜と三重北部あたりでは「模造紙」のことを「B紙」と呼ぶ。
「お客さんからB紙が欲しいと言われれば、すぐお出しする」と、名古屋・栄の「MARUZEN名古屋本店」文具責任者の佐々邉洋二さん。東京の店舗でも勤務経験がある佐々邉さんは、東京では通じない「B紙」の呼び名を、名古屋では店員も客も当たり前のように共有していることに気づく。しかし、なぜ「B」なのか。B1判に近いことに由来する説もあるが、佐々邉さんは次のように語る。「欧米から来た『A』紙に対して、日本で模造したものが『B』紙だった、との説があります」。
確かめてもらうと、明治時代、日本の紙幣に使われた「局紙」がパリ万博に出品され、好評を博した。それを見たオーストリアの紙メーカーが、似せて作った紙を日本に逆輸出。それをまた日本国内の製紙業者がまねた(模造した)ときに、つやのある紙を「A模造紙」、つやなしを「B模造紙」、さらにわら半紙のようなものを「C模造紙」と呼んだ。名古屋では「B模造紙」が学校などに普及し、略して「B紙」と呼ばれるようになった――。これが名古屋の紙業界での通説のようだ。
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