日本の火力発電所の発電量当たりの硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)の排出量は、欧米諸国と比べて少なく、日本は大気汚染対策が進んでいる、と電気事業連合会はいう。たとえば米国と比べた場合、SOxで5分の1以下、NOxでも3分の1にとどまる。
一方、環境省による委託調査「大気汚染物質排出量総合調査」(2014年度実績)によれば、「電気業」(電力業)はSOx、NOxの排出で、それぞれ48%、37%を占める最大の排出源となっている。
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こうした中で、最近、大きな関心事となっているのが微小粒子状物質(PM2.5)による健康への影響だ。
PM2.5は工場や発電所などの排煙や自動車などの排ガスに含まれるSOxやNOxが化学反応を起こして生成される場合が多い。PM2.5の粒子は肺の奥まで入り込み、血液にも取り込まれて、呼吸器疾患や心血管疾患を引き起こす。
ハーバード大学とグリーンピースが共同で実施した調査研究によれば、「現在、日本で稼働している石炭火力発電所から排出されるPM2.5とオゾン(光化学オキシダントの原因物質)は、毎年1117人の死亡原因になっていると推定される」という。今後、計画中の新規の石炭火力発電所が稼働すれば、「さらに年間455人死亡者が増える」とも。
図表1は、同研究結果に基づく石炭火力発電所からのPM2.5の濃度推計を示したもの。すでに石炭火力発電所が多い九州や北海道に加え、新たに多くの計画が持ち上がっている東北や関東でも影響が大きいことが読み取れる。
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