米国のトランプ大統領は「世界の警察官」をやめると言ってきたが、先日シリアに巡航ミサイルを発射した。シリアのアサド政権が化学兵器を使用し、「一線を越えた」からだと言う。米国が世界の警察官に復帰したと、拍手喝采する人もいるだろう。
だが、ちょっと立ち止まって確認したい。トランプ大統領はいったい何を守ろうとして、軍事力を行使したのか。この点、オバマ前大統領の正義はわかりやすかった。人道主義という普遍的な価値である。
対してトランプ大統領は、難民の受け入れには冷淡だし、人権を脅かす国の指導者を褒めることもある。仏大統領選の極右のルペン候補にも好意的だ。人道主義者でないことは明らかだ。
オバマ時代の軍事介入とトランプ時代のそれとは性格が異なる。トランプ政権は勇み足でも自らの正当性を疑うことがない。トランプ大統領が価値を置くものは、国際秩序ではなく、米国の秩序なのである。
もしも今回、オバマ前大統領であったならば、手順を踏んでアサド政権の化学兵器使用を証拠づけただろう。これには日本やドイツも賛同しやすかった。
普遍的価値を重視しないトランプ大統領の正義には、通常賛成しにくい。だが今回、日本は米国のシリアへの攻撃に賛意を送った。こと東アジアの安全保障については、トランプ大統領が考える国際秩序と日本の利害が一致するためだ。
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