新年度に入り、大学のキャンパスにもフレッシュな空気が漂う。しかし不思議なことに、そこにいるのは若者ばかりだ。
大学だから若者ばかりなのは当然ではないかと思われるかもしれない。しかし、本来大学というのは、高校を出てすぐの18歳の年齢層だけが入学する場所ではないはずだ。実際、海外には一度社会に出て働いた後に大学で勉強するのがかなりポピュラーな国もある。これからの日本でも、もっと多様な年齢層が大学で学ぶほうが望ましいのではないだろうか。
そう考える理由の一つは、社会に出てある程度の経験を積んだ人が学び直す希望やその必要性が高まっていることである。これは、技術革新やグローバル化の進展によって、社会の構造が急速に変化していることと無縁ではない。また、寿命が延び、少子高齢化が進んでいることも一因だろう。
今のままのスキルで十分なのか、この先も働いていけるのかという不安を多くの人が持ち始めている。また、実際そのような不安が現実になるケースも生じてきている。
そのため、誰もがどんな年齢になっても学び直して必要なスキルを身に付けられる環境が必要になってきている。とすれば、その受け皿の一つが大学であろう。
学び直しというと技能訓練のようなことを思い浮かべがちだ。実際そのような訓練や教育が必要な面もあろう。しかし、たとえば哲学や歴史など、人文科学や教養科目と位置づけられる科目も、学び直しに大いに役立つ。社会経験を積んだ人が学ぶことで、高校を出たばかりでは見えなかった大きな気づきを得ることが多々あるからだ。スキルとは直接的関係がないような学問をあらためて学ぶことも、スキルアップや将来の仕事に役立つ。
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