3月26日に香港のトップである行政長官を決める選挙があった。中国政府が支持する前政務官の林鄭月娥(キャリー・ラム)氏が当選し、初めて女性のトップが誕生した。ただこのニュースを大きく取り上げた日本のマスコミはほとんどなかった。
日本では香港の重要性がどんどん薄れているようだ。長年、香港に駐在している日本人と会ったが、昔に比べて中国本土を語れる駐在員が少なくなったと嘆いていた。
1980年代から90年代にかけて、中国本土でビジネスをするとなれば、香港は起点になる場所だった。多くの駐在員が香港と本土を行き来し、情報を持ち帰るのが重要な任務だった。だが、現在の駐在員の仕事は現地に限定されることが多くなった。そのため、中国本土についてほとんど話題に上らないという。
日本での香港の位置づけが変わるのに合わせるかのように、香港人の気質も変わったように感じる。
筆者が香港で仕事をしていた25年ほど前、香港人のオーナーと取引していた。何としても儲けてやろうと、いろいろチャレンジしたものの、そのたびに返り討ちに遭った。「そこでそう来るか」「まさかこんな手を使ってくるなんて」と、敵ながらあっぱれと思わされることもたびたびだった。
本土に“敗北”宣言
それに比べて最近の香港人はおとなしくなった。よく言えばスマートに、悪く言えば狡猾さがなくなった。現在の香港は中国本土の圧倒的な経済力の前に完膚なきまでに打ちのめされ、その軍門に下ってしまったからだろう。
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