この2年間、逃げ水のような五輪需要に翻弄され、業績予想の下方修正を繰り返してきた太平洋セメント。2017年に入り、ようやく出荷に向けた動きが見え始めた。さらに米国でトランプ大統領による巨額のインフラ投資が実現すれば、米国に工場を持つ同社にはまたとない追い風となる。今後の展開をどう読むか、太平洋セメントの福田修二社長に話を聞いた。
──これまでの2年間、今年こそは東京五輪需要が出る、と言い続けてきたが、出荷は始まったのか。
この2年間、周囲から「まだ出ないんですか」と言われっぱなしだった。だが、ようやく選手村の区分けも決まり、工事が始まった。アリーナはまだだが、生コン車の配車も決まり、少しずつ出荷もしている。当初の想定より需要は少なくなったが、着実に動きだしている。
──東京五輪の需要が一段落した後をどのように想定しているのか。
五輪の後はリニア中央新幹線の需要も出てくる。熊本は地震の後、人が集まらず再建が進んでいないようだが、復興も始まるはずだ。
1人当たりの使用量から考えると、現在の日本の内需は4100万トンがベースになる。しばらくはそれより微増で推移し、大きく落ち込むことはないだろう。
──一方、トランプ大統領は巨額のインフラ投資を行うと宣言した。
米国のインフラはかなり傷んでいるといわれている。財源の問題があるので、本当に実行に移されるかはまだわからない。だが、当社は15年に約530億円を投じて米国で工場を一つ買った。現在は三つの工場が稼働しているが、さらなるM&Aを仕掛けることも考えている。インフラ投資には期待している。
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