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政治・経済・投資 #10年変化

負け組の受難 深まっていく健康格差社会 医療が危ない

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賃金格差や教育格差が健康格差につながることが、さまざまな研究で明らかになっている。たとえば、企業における成果主義賃金は、健康格差を拡大する方向に作用しうる。成果を認められた勝ち組と、正当に評価されていないとストレスを感じる負け組のうち、圧倒的に多いのは負け組。総人件費抑制のために勝ち組は少なくなるよう設計されているためだ。つまり、成果主義賃金は多くの人たちにストレスを加える。

日本福祉大学教授 近藤克則
1958年生まれ。千葉大学医学部卒。船橋二和病院リハビリテーション科科長などを経て2003年4月から現職。医学博士。著書に『健康格差社会――何が心と健康を蝕むのか』『「医療費抑制の時代」を超えて――イギリスの医療・福祉改革』(共に医学書院)など。

成果主義のストレスは非常に強力だ。ある地方自治体ではA、B、C、Dと4段階に評価したところ、Dとつけられた人たちがうつになったというケースも報じられている。実際に給料を削られてから健康に影響が出るのではなく、おまえはダメだと言われただけで人間は参ってしまう。負け組をつくらない仕組みづくりをしなければならない。

国全体として見た場合にも、底辺部分の底上げが極めて重要だ。生活保護水準の引き下げよりも最低賃金水準の引き上げを検討するべきだ。格差を縮めることが、国民の健康格差を縮め、医療費抑制につながる可能性がある。

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