これまで盤石に思えたソフトバンクグループ(以下ソフトバンク)の国内通信にきしみが生じている。総務省がガイドラインで実質ゼロ円以下の端末販売を禁じた2016年4月以降、販売代理店からは「ソフトバンクのスマートフォンが思うように伸びない」と悲鳴が上がっている。
四半期ごとのソフトバンク端末の販売台数は約200万。その多くはNTTドコモからの乗り換えユーザーで、ソフトバンクにとって自らのシェアを上げることは、ドコモのシェアを奪うことを意味していた。そのために実質ゼロ円販売を始めたのが、ほかならぬ孫正義社長である。
ところが総務省の規制強化により実質ゼロ円販売が封じられると、ユーザーがソフトバンクへ乗り換える価格のメリットが激減した。ドコモユーザーは主にドコモで機種変更をするようになった。そこでソフトバンクは通信料が月額1980円(当初1年間)と廉価なブランド「ワイモバイル」での顧客獲得に躍起になっている。
結果はどうか。販売台数は維持しているが、主にドコモから顧客を奪った200万台と廉価端末で維持した200万台とでは意味合いが違う。高額端末を実質タダで配ってきた従来よりも顧客獲得費が減る点ではプラスだが、肝心な月々の通信料収入では大きく見劣りする。ワイモバイルの積極展開は長い目で見るとソフトバンクの収益基盤を弱める怖れがある。
トランプに仕掛けた雇用創出の“ブラフ”
海外も盤石とは程遠い。13年に買収した米携帯4位(当時は3位)のスプリントは6000人強の人員削減により、15年度に9期ぶりの営業黒字を確保した。だが、借入金による金利負担が巨額で最終赤字が続く。最終浮上のメドは現在立っていない。
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