2017年は環境や情報、自動運転など次世代技術をめぐる覇権争いが一段と激しくなりそうだ。従来のモノづくりから様相が一変するだけに、販売台数でトップグループを走るトヨタ自動車も盤石ではない。
トヨタは16年10月に、独VW(フォルクスワーゲン)とたもとを分かったスズキと業務提携すると発表。国内で最後に残されたカードを自陣営に引き込んだ。それに先立つ8月には傘下だったダイハツ工業を完全子会社化。マツダとも15年に業務提携を締結するなど、トヨタがこれまで苦手としてきたアライアンスが活発化している。
背景にあるのは、次世代技術に多額の研究開発費がかかる中、規模の効果で早期に業界標準を握る必要があることだ。トヨタの豊田章男社長は「1社が個別で技術開発するには限界がある。同じ志を持つ仲間作りが重要だ」と話す。
トヨタはFCV(燃料電池自動車)を究極のエコカーに位置づけ、普及促進のため特許開放もしてきたが、インフラ面などで課題もあり、普及には遠く及ばない。
そんな中、16年12月にはそれまで慎重とみられていたEV(電気自動車)の量産化に向け新組織を設立。社長直轄にしたうえ、プリウスの開発責任者を務めた豊島浩二氏をヘッドに、デンソー、アイシン精機、豊田自動織機のグループ各社も最初からメンバーにし、開発スピードを上げる構えだ。
トヨタは世界で初めて量産化に成功したHV(ハイブリッド車)で独走し、「環境=トヨタ」のイメージを確立してきたが、今は逆にそれがあだとなっている。海外では新たな環境規制でHVをエコカーから外す動きが顕在化。VWなど海外勢がEVシフトを掲げる中、トヨタもEVをFCVと並ぶ次世代エコカーの柱に据え、開発リソースを全方位に配して戦いに挑む考えである。
この記事は有料会員限定です
残り 496文字

