トランプ新大統領は就任後どんな政策を打ち出すのか。選挙期間中の過激な発言から、政財界では不安視する声が大きい。「同じ実業家として信頼している」と話すのは日本貿易会の小林栄三会長だ。
日本貿易会会長 小林栄三
実業家であるトランプ氏がリーダーに決まったという期待感が込められて、足元が株高・円安になっているのは面白い動きだ。
ただ、世界経済全体の流れは大きくは変わっていない。何となく悪くはないけどすっきりしないというのが現状で、少なくとも2016年の世界経済の成長率は3%前後だろう。中長期的には、来年の就任以降、トランプ新大統領が実際にどんな政策を取るかにかかってくる。
彼がよく言う「deal」という表現に代表されるように、トランプ氏はすべてのことについてそれが米国のためになるか、ならないのかという議論をするだろう。
とはいえトランプ氏は11月8日に当選してから、現実路線に舵を切りだしている。移民の問題にしても、まだメキシコとの国境にフェンスを作ると発言しているが、同時に周りを見ながら政策を作ろうとしている。好き放題、飛んではねての、あの選挙のときのイメージはもうないと思う。
実業家としてのトランプ氏は歓迎する
もちろん、まだまだ新大統領からのアウトプットは少ないし、就任時にどんな話をするかわからない。紆余曲折があるかもわからないが、ウィン・ウィンの関係を築けるのではないか。何しろ彼は実業家。実業界の人間というのは夢だけでは食えないから、間違いなく現実に立脚した施策をやっていく。実業界としては、トランプ氏を歓迎する。
日本貿易会が懸念しているのはTPP(環太平洋経済連携協定)の行方だ。日本は明治以来、貿易立国で成り立ってきた。国の発展にはTPPが必要という思いが非常に強い。商社をはじめ産業界にとっていちばんいいのは、人・モノ・カネ・情報が自由に行き来する世界だ。それが全部遮断されてしまうと、一つひとつのビジネスの規模が小さくなり、相乗効果を生み出すのは大変だ。
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