民主党のヒラリー・クリントン米大統領候補は最近、ライバルの共和党、ドナルド・トランプ候補の支持者を「嘆かわしい集団」だと評した。この表現についてクリントン氏は謝罪したが、彼女は間違ってはいない。トランプ氏の支持者には人種などに関して実に嘆かわしい見方をする向きが多いからだ。
米国はリテラシーや一般常識、科学の面で日本や韓国、ロシアなどよりランクが低い。教育を市場原理に委ねていることが一因で、富裕層と貧困層との教育格差は大きい。
これまでのところクリントン氏のほうが、都市に住む高学歴な有権者の支持を集めている。一方でトランプ氏は教育水準の低い白人の支持率が高い。かつて民主党に投票していた鉱員や工場労働者だ。彼らは理性的な議論をえせインテリのものとして意に介さず、恐怖や怒り、不信感によって扇動者に同調している。
ナチス時代のドイツにも共通する点があった。もともとドイツは第1次世界大戦に敗れて深刻な不況に陥り、国民の間に恐怖や怒りや不信が渦巻いていた。そしてバンカーや教授や法律家、メディアや娯楽など、エリート的な職業を独占していたユダヤ人こそが、偉大なドイツを取り戻す際の障害になるとナチスは見なし、迫害を始めたのだ。
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