石川遼が、国内男子ツアー「RIZAP KBCオーガスタ」で今季初優勝した。およそ6カ月間、腰痛などで米ツアーからも戦線を離脱。治療とリハビリに専念していた。そして復帰したのが7月の日本プロ。このときは予選落ち。そして2戦目が8月下旬のこの大会だった。
優勝後のインタビューで、石川は興味深いコメントを二つ残していた。一つは、リハビリ中、腰に負担のかからない20ヤードのアプローチ練習から始め、その距離を10ヤード刻みで延ばしての練習をしていた、というコメントである。
ふと思い出すのが、ジャンボ尾崎のスランプ時代のことだ。尾崎も腰痛などの故障も交え、大スランプに陥った時期がある。30代の半ばだ。そのとき尾崎は徹底してピッチングサンド(ピッチングウエッジとサンドウエッジの中間のクラブ。最近では、アプローチウエッジともいう)でのアプローチ練習から始めていた。特に、ビジネスゾーンといわれる、インパクト前後のスイングの肝となるゾーン。これがしっかりとできれば、通常のスイングもその延長線上だから、まずはそこからという考え方だった。
「ドライバーショットの練習は、このピッチングサンドからなんだよ。これをしっかり練習することでドライバーショットにつながるんだ」というのが尾崎の理論だった。
利点は、まだまだある。よく「世界と日本の差は、100ヤード以内のショートゲームの精度の差」といわれる。その距離を整え、精度を高めていくうえでも、この練習は大いに役立つ。石川は、腰痛、そして米ツアー離脱を無駄にすることなく、前向きに、基本的な繰り返しに専念していたのだろうと思う。
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