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ライフ #生涯現役の人生学

トフラー先生の死とPR 広報の依るべきところ

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私の書棚の一角に「座右の書」と銘打ったコーナーがある。その中に『第三の波』と『1984年』が並べてある。前者はアルビン・トフラーの著で、私が保存しているのは徳岡孝夫氏監訳の中公文庫だ。後者はジョージ・オーウェル著で新庄哲夫氏訳のハヤカワ文庫だ。

都庁で広報の仕事が長かった私には、両書ともまさに“目からウロコが落ちた”啓蒙書だった。

私が仕えたのは美濃部亮吉知事だったが、就任早々知事は「これからの広報はサスプロ(自主制作)よりも、パブリシティ(第三者というよりもマスコミへの情報提供)を重視する」と宣言した。

特に文章を書く私には「読んでわかるのではなく、聞いてわかる文章を」と要求した。この考えは今の仕事にも役立つので、私は以来この「言文一致」の姿勢は守り続けている。つまり書くときも話すときも表現は同じという文章作法は、あのときの知事の指示によるのだ。「あなたの文章はわかりやすい」といわれる淵源はこのあたりにある。

知事の広報戦略は当たった。新聞なら都内版、テレビなら地方版で扱われていた都政ニュースが、1面の頭に来たり、テレビの全中(全国中継)になったりすることが増えた。

もともと私は少し変わっていて、管理職になる前からリーダーシップのあり方を、米国映画(たとえば知によるものと情によるものとでは、どちらが部下の犠牲を少なくし成果を上げるかをテーマにした『頭上の敵機』〈グレゴリー・ペックが知型、ゲイリー・メリルが情型〉を筆頭に、おびただしい西部劇もそういう視点で見た)で学んだことが多い。さらに“役所も経営観念を”という考えで、米ハーバード大学経営学教室のテキスト(もちろん和訳本)を読みふけった。

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