電子部品大手のTDKが10年ぶりに社長交代を行った。前任の上釜健宏氏(現会長)は買収を積極的に実施、16年には米クアルコムとの合弁設立で合意。事業構造を大きく変え、収益拡大を成し遂げた。
ただ、スマートフォン市場の成長鈍化が鮮明になるなど、事業環境は不透明感が増している。新社長として会社をどう切り盛りしていくのか、石黒成直社長に聞いた。
──10年ぶりの社長交代となる。自身の役割をどう認識しているか。
上釜会長は非常にダイナミックな人で10年間に数々の買収によって事業の転換を推進した。TDKという会社は大きく変わった。
一方、私は海外生産拠点の立ち上げなど、事業部の経験が長い。上釜会長のダイナミズムを継承しながらも、これまで描いてきた戦略を泥臭く実行していくことこそ、自分の役割だと考えている。リーダーとしてやると決めたことを社員一人ひとりにまで落とし込み、変革のエネルギーにしていきたい。
──これまで業績を牽引してきたスマホの出荷台数が鈍化している。
スマホという製品自体が成熟化してきたことの表れだろう。数年前までは毎年次々に新しい機能が追加され、新規だけでなく買い替え需要も盛んだったが、これからはそうもいかなくなる。こうした流れは、パソコン市場でも見られたので驚きはないが、楽観できる状況でないのは確かだ。
──当面の目標は?
一つは成長戦略の確立だ。(コンデンサーやコイルなどの)受動部品やHDDヘッドといった従来の事業だけではなく、新しい成長分野を育てていかなければならない。
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