安倍晋三首相が昨年打ち出した「新3本の矢」の子育て支援。そこで目標に据える希望出生率1.8の実現に向けて推進するのが、祖父母と親と子の3世代同居だ。4月には同居するための住宅リフォームに対する減税制度を導入した。
対象となるのは、キッチンと浴室、トイレ、玄関のうち少なくとも1つを増設し、いずれか2つ以上が複数箇所になる工事だ。ローンを組んだ場合は最大62.5万円(5年間の合計)、自己資金の場合は25万円が所得税から控除される。
厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると、2014年における3世代世帯は全世帯の6.9%にとどまる。1986年には15%だったが、この30年近くほぼ一貫して減少してきた。3世代同居を増やして祖父母が育児に参加し、子育ての負担を軽減するのが減税の狙いだという。
だがこの政策は子育て世代のニーズをとらえているとはいいがたい。内閣府が20〜49歳の有配偶者に理想の住まい方を調査したところ、祖父母と同居したいと答えたのはわずか15%にすぎない。一方、日常的にお互いの家を行き来できる距離で暮らす近居は48%と半数近くに上る。
子育て世代が祖父母へ育児協力を求める声が多いかといえば、これもまたそれほどではない。今後、子どもを持つ場合の条件を既婚者に調査した結果を見ると、「配偶者以外の家族に育児協力してくれる人がいる」との回答は22%あったものの、職場環境(56%)や教育費問題(51%)、保育所などの整備(46%)に比べると割合は低かった。
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