パソコンメーカーのVAIOがソニーから分離・独立して2年。大手商社・双日出身の大田義実氏が社長に就任して1年が経つ。2015年5月期こそ19億円の営業赤字だったが、大田社長の就任後はV字回復、16年5月期には黒字化を果たした。大田社長に黒字化の秘訣や新規事業の現状を聞いた。
──過去1年、黒字化に向け、手掛けてきたことは何か。
パソコンの損益計算書を機種ごとに作っている。設計・製造のコストや保守などのサービスコスト、販促費を機種ごとに月次で把握できる。
何が悪いかがすぐにわかるので、それで手を打ってきた。リストラはせず、サンプルを作る数を少しだけ減らすなど、細かな改善を積み上げて固定費を引き下げた。業務の繁閑に合わせて、今まで電器の設計しかしてこなかった者にソフトの設計もしてもらうなど、多能工化を進めたことも大きい。
──パソコンだけでなくEMS(電子機器の受託生産)も手掛けている。うまくいっているのか。
始めたばかりの新規事業で2〜3年かかると思っていたが、EMSはすでにパソコンに次ぐコア事業に育っている。ソニーから引き継いだ長野の本社工場は、設計・量産・品質検査・保守・サービスの機能をすべて持っている。
たとえば富士ソフトの「Palmi(パルミー)」というロボットの量産を受託している。当社にはソニー時代から量産の経験を持つ人材と設備がそろっているのでそれができている。IoT(モノのインターネット)でいうと、ウエアラブル機器を展開するベンチャー企業から、腕にはめてデータを取るバンド型製品の量産も請け負っている。
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