昨年11月12日、アパグループの元谷外志雄代表は、米国ニューヨークのマンハッタンにいた。その胸中はシンプルだ。「日本一の次は世界進出。そのためには世界の中心のニューヨークからだ」──。
アパホテルの業績は絶好調だ。非開示ではあるが、元谷代表によれば2015年11月期のグループ売上高は約900億円、経常利益は270億円前後に達するという。プリンスホテルなど業界最大手には及ばないが、収益性では圧倒的な水準を誇る。
アパグループは1971年創業。高度経済成長の波に乗り、マンションの建設・販売で成長してきた。多角化の一環としてホテルに参入したのは84年。業界ではやや後発の部類に入る。
飛躍の契機となったのが「新都市型ホテル」と呼ぶ新形態のビジネスホテルだ。部屋の広さを小さくし、節水シャワーを導入するなど、とことん効率を重視し急成長を遂げた。
07年には自社物件で耐震強度不足が発覚。それを契機に、「不要な不動産を売り払ったことで、リーマンショックの影響を受けずに済んだ」と元谷代表は説明する。
10年4月には「summit5」(頂上作戦)と名付けた経営計画を発表。東京都内の皇居周辺の中央区や千代田区、港区、台東区、新宿区などに焦点を定め、開業を加速した。アパが都内に所有するホテルの不動産登記簿を眺めてみると、確かに09年ごろからの取得が目立つ。
現在、アパは都内だけで約40軒のホテルを構えるが、うち10年以降の6年間で30軒近くを開業。11年からはフランチャイズも開始しており、地方の苦戦するビジネスホテルと提携することで、業容を急激に拡大している。
この記事は有料会員限定です
残り 670文字
