「電力小売り全面自由化から5年後(2020年)に首都圏需要の約1割獲得という目標を掲げたが、たいへん厳しい」 家庭分野の自由化を5カ月後に控えた15年11月、坂戸ガスなど首都圏の都市ガス5社との電力販売提携について記者会見に臨んだ東京ガスの広瀬道明社長は、シェア獲得目標の達成がいかに簡単ではないかを口にした。「システム開発や人材育成、ノウハウ取得など、大変なことばかりだ」(広瀬社長)という。
15年10月、東ガスが家庭市場への参入を正式表明するや否や、保守点検やガス器具販売を担うサービス拠点「東京ガスライフバル」が、「電気もはじめます 東京ガス」と大書したポスターを店内に掲示。テレビCMも始まった。
一方、守る側の東京電力では、小売り分野の戦略立案を担う大亀薫・執行役員カスタマーサービス・カンパニー・バイスプレジデントが、「新規参入企業に奪われるシェアは将来的には(シミュレーションの一つである)2割どころでは済まない可能性もある」と危機感を強めている。そのうえで、「当社の知見を生かしたサービスメニューを取りそろえて、顧客基盤を守り抜いていく」(大亀氏)と力を込める。
東電は、電気の月々の使用量を基に節約の仕方などをアドバイスする無料会員ウェブサイト「でんき家計簿」を16年1月にも「暮らしのプラットフォーム」としてリニューアルする。ここにポイントサービスや暮らし、住まいに関連した異業種のサービスを載せていく。すでにソフトバンクグループなどとの提携にもこぎ着けた。
東電独占の首都圏では新規参入組が手ぐすね
16年4月に電力小売り市場が開放される家庭や中小企業分野の売り上げ規模は全国で約8兆円。そのうち東電が独占してきた首都圏が約2兆8000億円を占め、世帯数は約2000万に上る。
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