市場の予想を上回る滑り出しだった。11月4日に日本郵政グループ3社(日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険)が東証1部に上場。とりわけ、かんぽ生命は売出価格を56%も上回り、ストップ高を記録した。3社ともに高配当が期待できることから、個人投資家人気の高さを見せつけた。
全国に約2万4000ある郵便局を軸に、生活サポート企業を目指す。グループの持ち株会社・日本郵政の西室泰三社長は上場後の姿を語ったが、課題が解決されないまま“ハレの日”を迎えたのも事実。上場後の3社の成長シナリオが、親子間の矛盾した関係のため見えにくいのだ。
郵政グループは日本郵政の傘下に、今回上場した金融2社のほか、郵便・国内物流、不動産、金融窓口業務を手掛ける日本郵便、国際物流の豪トール社が名を連ねる。だが、2015年3月期の経常利益約1.1兆円の大半は、金融2社が稼いだ。
一方、日本郵便は、郵便・物流事業が赤字だ。それでも政府の方針で、金融2社への日本郵政の持ち株比率89%は、売却で段階的に50%程度まで引き下げられる。これは日本郵政の減益要因となる。
また、グループの稼ぎ頭であるゆうちょ銀の時価総額は、約7.5兆円。かんぽ生命は約2兆円。だが、親会社の日本郵政の時価総額は約7.9兆円で、2社の合計より少ない。これはマーケットが金融2社を除く日本郵政に厳しい評価を与えている証左だ。この構図を打開するには日本郵便の不動産、国際物流事業の収益化が不可欠だが、後者はなかなか難しい。
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