安倍首相のブレーンで、元祖「アベノミクス」の生みの親、本田内閣官房参与に聞いた。
──9月に「新アベノミクス」が発表されました。
聞くかぎり、あの表現はわかりにくいという声が多かった。旧3本の矢と合わせると6本あることになり、プライオリティがはっきりしなくなった。「デフレ脱却」も表面から消えた。私が積極的に携わった元祖アベノミクスでは金融緩和、財政政策、成長戦略の政策手段を例えて「3つの矢」と称したが、今回の政策は矢ではなく的なのではないか。そう安倍首相に申し上げたら「そうだな」と納得された。
──新3本の矢の中身についてはどうでしたか。
国内で名目GDP(国内総生産)600兆円の現実性が批判された。経済団体のトップも荒唐無稽とコメントされていた。しかし外国人投資家と話していると違和感はないようだ。この10年のOECD(経済協力開発機構)諸国は名目で3~4%程度は普通に成長できてきた。これまでのデフレ時代を前提とすると不可能だが、緩やかなインフレを前提とすれば十分達成可能だ。
2~3本目の「子育て支援」や「介護」の分野については、私はマクロ経済が専門のため詳しくない。首相秘書官など側近の影響があったのではないか。
中国リスクは恐ろしい 低所得者対策が必要
──経済環境の変化はこのリニューアルにどう影響していますか。
アベノミクスを始めたときには予想もしなかった事態が出てきた。予想外の原油価格の急落、チャイナリスクの浮上、消費増税の影響も思った以上に長期化した。
物価目標についても、政治家たちは今、賃金より食料品や原材料が先に値上がりすることを心配している。高額所得者や資産家が先に恩恵を受け、庶民の家計が圧迫されれば有権者の不満は高まる。
この記事は有料会員限定です
残り 742文字
