中外製薬がロシュと組んで以降、国内の製薬会社は火がついたように世界展開に動きだした。医療費抑制を背景とした隔年の薬価引き下げで国内は厳しい環境が続く中、伸びしろを海外に求めたのだ。
一つのパターンが、日本企業同士の再編だ。2005年に山之内製薬と藤沢薬品工業が合併してアステラス製薬が発足。続いて三共と第一製薬が経営統合し第一三共、大日本製薬と住友製薬が合併して大日本住友製薬が誕生した。07年には田辺製薬と三菱ウェルファーマが合併して田辺三菱製薬が発足。08年には協和発酵グループとキリングループの経営統合で協和発酵キリンが誕生した。
合併契機にがんに参入 欧米の成長エンジンに
いずれも、合併によって研究開発資源を拡大し、世界で勝負できる新薬の創出を狙った。うまくいった一例がアステラス。合併後に進出したがん領域が欧米を軸に伸び、業績の一つの柱となっている。
国内最大手の武田薬品工業は、主力品の特許切れで業績が苦しくなる。新薬候補も枯渇する中、長谷川閑史会長が二つの海外M&Aを実施した。08年には米国ベンチャーのミレニアムを約9000億円で、11年には新興国への進出を狙い、スイスのナイコメッドを約1兆円で買収した。
ミレニアムからは、現在の主力の多発性骨髄腫治療薬「ベルケイド」や後継品の「イキサゾミブ」、大型化が期待される潰瘍性大腸炎・クローン病治療薬「エンティビオ」といった、世界に通用する新薬が出てきている。ナイコメッド買収で国内企業随一の新興国の販路も獲得。ただ保険制度が未整備の新興国で高価な新薬が本格的に売れるようになるのは、しばらく先になりそうだ。
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