牛肉価格の高騰を背景に、牛丼「並盛」を300円から380円に値上げした吉野家。昨年12月の値上げ発表時、河村泰貴社長は、「最初の3カ月の影響が大きい」と語っていた。だが、直近7月までの既存店客数は前年同月比で10%以上のマイナスが続いている。価格戦略は裏目に出たのか。
──客数の減少に歯止めがかかっていない。
現状については真摯に受け止める。(値上げした後)“絶対価格”を求める層、すなわち「牛丼並盛は300円以下」を望む方が一定数いることがわかった。
値上げで一時的に店舗の売り上げが増えることもあるが、最大の評価は客数にほかならない。店舗の清掃、丁寧な接客など、すべての活動がそれにつながる。絶対的な安さを求める方にも再び来店してもらえるよう、新商品開発などに積極的に取り組んでいきたい。
──値上げ以降、牛肉相場は下落傾向に転じた。再び値下げする可能性は?
アジア諸国を中心に、新興国の牛肉需要は大きく伸びている。中長期で見ると、価格が下がり続けるとは考えにくい。
仮にTPP(環太平洋経済連携協定)が妥結しても、輸入牛肉は現地相場や為替動向など、さまざまな要因で価格が決まる。関税が下がっただけで、牛肉価格が下がるとは限らない。今後の相場動向も楽観できない以上、頻繁に価格を上げ下げしないほうがいい。
──どのように客数増を図っていくのか。
かつては、当社の原点であり、強みでもある、「うまい、やすい、はやい」を徹底的に磨き込めば、お客さんが支持してくれた時代もあった。今はそれだけでは難しい。失敗してもいいから、いろんなことに挑戦しなくてはならない。
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