有料会員登録 東洋経済オンラインとは
ビジネス

塾再編にアクセル Z会のTOBが号砲

3分で読める 有料会員限定
  • 猪澤 顕明 東洋経済オンライン編集部長

「これが業界再編を加速させる“号砲”になるかもしれない」。首都圏を地盤とする学習塾の幹部は、開口一番、そう語った。

通信教育「Z会」を運営する増進会出版社は5月19日、首都圏を中心に学習塾「栄光ゼミナール」を展開する栄光ホールディングス(HD)に対し、TOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。栄光HDはこれに賛同の意を表明して、TOBによる自己株取得も実施。2段階TOBで、増進会は栄光HDを完全子会社化する方針だ。

こうした合従連衡の動きは、今になって始まったものではない。2000年代半ば以降、通信教育・出版大手が地方の学習塾を傘下に収める動きが活発化している。

[図表1]
拡大する
通信教育会社を核に再編加速か─首都圏の学習塾をめぐる主な合従連衡─。

たとえば学研HDは、東北ベストスタディ(06年)など、これまでに複数の学習塾を買収。「いい案件があれば、これからも積極的にやっていく」(川又敏男・上席執行役員)と鼻息荒い。ベネッセHDも12年にアップを子会社化したほか、14年11月には全国の個人経営の学習塾などに自社の「進研ゼミ」を活用した、自立学習支援サービスを提供する計画をブチ上げている。

背景にあるのは、全国的に進む少子化の流れだ。市場全体が先細る中、通信教育側は学習塾を傘下に収めることで自社教材の販売先を獲得できる。一方の塾側は、教材調達のコスト削減に加え、通信教育のブランド力を集客に活用できるなどの利点がある。

金城湯池に迫る大波

とはいえ今回の一件は、これまでと少し事情が異なる。栄光HDの地盤は、人口の流入超過が19年間続く首都圏。地方の学習塾ほど切羽詰まった状況にあるわけではない。業績もここ数年は頭打ちながら高水準を維持している。それでも今、増進会の傘下に入ることを選んだのはなぜか。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ビジネス

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数