「一部の住宅ローンは実質マイナス金利になっている」と、ある金融機関の住宅ローン担当者は明かす。住宅ローンを組むことによって得する人が生まれているというのだ。そのからくりはこうだ。
住宅ローンの金利は今、変動ならソニー銀行が0.539%、10年固定でも三井住友信託銀行などが0.85%と、1%を切る。一方、住宅ローン減税制度を利用すれば、ローン残高の1%分の所得税が10年間控除される。さらに、最大30万円が給付されるすまい給付金や、最大30万円相当のポイントが発行される省エネ住宅ポイント制度もある。住宅取得資金の贈与税非課税措置もある。
これらを活用すれば住宅ローンによる支払利息を上回るメリットを得られる人がいるのだ。大手銀行の住宅ローン担当者は「数千万円以上の現金を持っている人が、あえて住宅ローンを組んで購入するケースが増えている」と話す。
住宅ローンが実質マイナス金利になる背景には住宅購入支援策の充実があるが、住宅ローンの競争が激化し金利が低下したことも大きい。都内の信用金庫の融資担当者は言う。「地方銀行が住宅ローンで都内に攻め込んできている。ウチではとても出せない低金利を提示する」。
メガバンクの金利も低い。三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の3メガバンクの10年固定はいずれも2月に過去最低の1.1%まで低下。5月も1.2%で並ぶ。みずほ銀行は2月から、借り換えについて、申し込みから借り入れまですべての手続きをインターネットで完結させれば、通常の金利より0.1%引き下げるようにした。
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