メルケル首相が7年ぶりの来日を果たした。6月にドイツで行われるG7サミット、対ロシア政策、テロ対策などが日独首脳間で協議されたとのことである。
滞在期間に比して注目度が高かったのは、財政再建、歴史問題などでドイツが日本の「お手本」とされているからだろう。が、いいことばかりではない。特に、評価が高いエネルギー政策は、もって他山の石とすべきであろう。
ドイツは再生エネルギー大国である。全量固定価格買い取り制度(FIT)を導入したことで、今では再生エネ比率が25%にも達している。ご立派と思われるかもしれないが、実態をよくご覧あれ。
FITは究極の総括原価方式だ。導入量を増やせる一方、買い取りに回される賦課金も天井知らずである。国際競争力維持の見地から大企業は賦課金を減免され、もっぱら家庭と中小企業が負担しているため、ドイツの一般家庭が支払う賦課金は年間約3万円に達し、収入の1割以上を光熱費に充てている世帯は690万に上るという。日本の家庭の光熱費が、収入の3%強(2013年家計調査)であることを考えるとその負担の大きさがわかろう。
エネルギー政策は失敗
そこまでしてCO2排出量は減ったかといえば、そうでもない。自然任せの太陽光や風力の発電量が増えると、夜間や無風時は火力発電に頼ることになり、つい褐炭による発電が増えてしまうのだ。水力や地熱、バイオマスなどの発電量が増えるならば、こうはならなかったはずである。
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