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ユーロは対円で下げやすい 物価水準、需給面からみた為替相場の先行き

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  • 高島 修 シティグループ証券チーフFXストラテジスト

3月前半、ドル円は1ドル=122円台に達するドル高円安となったが、ユーロは対円で下落が目立つ。昨年12月に1ユーロ=150円に迫ったが、足元では130円を割り込んできた。

ユーロ円の購買力平価のグラフ(図表1)を見ると、歴史的にユーロ円の上限となってきた生産者物価ベースの購買力平価は、現在1ユーロ=130円前後に位置する。一方、過去おおむね下限となってきた生産者物価と輸出物価の中間線は現在1ユーロ=100円前後。両者に挟まれた領域をコアレンジと考えると、115円前後がフェアバリューになる。その辺りまでの下げは価格正常化と見るのが適切であろう。

[図表1]
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米国とドイツの長期金利差との相関が強いユーロドルもその変化に沿った下落(ユーロ安ドル高方向)になっているとの基本認識だ。一方、ドルは対円では過大評価の領域に入ってきたと考えている。この観点でもユーロは対円で過小評価されているとの結論には至らず、下げ余地がある。

年金のユーロ投資一服

フロー面で興味深いのは、対内外証券投資統計で、昨年10月以降、失速ぎみだった日本の投資家による対外投資が1月、2月には月1兆円を超える規模に膨らんだことだ。投資信託と並んで牽引役となったのが信託銀行勘定(年金)である。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)など年金は、通常は逆張り投資家だが、資産構成の変更を進めている現在、潜在的な外貨投資のニーズを抱えている。ユーロ、英ポンド、豪ドルなどのクロス円下落を押し目買いの好機ととらえ、大規模な海外投資に踏み切ったのだろう(おそらく2兆円規模)。

昨年10~12月期にGPIFは7兆円ほどの円債を売却し、それぞれ2兆円ほど国内株と海外資産を増やしたと推計される。

ただ、昨年10月にGPIFが発表した新基本ポートフォリオを達成するには、さらに5兆円ほどの国内株、10兆円ほどの海外資産を購入する必要がある。その海外資産については、債券よりも株式の比率を大胆に増やす方針だ。おそらく海外債券の追加的な購入余地が2兆円ほどにとどまるのに対して、海外株式の余地は8兆円ほどもある。

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