ここ数年、介護離職という言葉がクローズアップされることが多い。介護は昔からの問題であったが、それが離職行動と関係づけて論じられるようになったのには理由がある。
まず、少子化の影響できょうだいの数が少なくなり、一人が担う介護負担が大きくなってきた。それと同時に、未婚率の上昇によって、介護負担をシェアするパートナーを持たない人が増えている。さらに、共稼ぎの世帯も大きく増えたことで、「介護は主婦である妻が担当する」という従来の風潮が弱まってきた。
そのため、最近では男性が親の介護を担当することは普通であり、女性よりも深く仕事との両立で悩むケースも生じてきている。介護離職者数は年間約10万人といわれ、転職者もいる一方で介護に専念するために無業化する人も多い。労働力人口が減少していく日本において、介護離職の多発は人的資源の損失であり、解決すべき経済問題である。
こうした関心の高まりとともに、最近になって介護離職の実態に焦点を合わせた調査研究結果が報告されるようになった。一つは、昨年11月に発表された明治安田生活福祉研究所とダイヤ高齢社会研究財団の共同プロジェクト「仕事と介護の両立と介護離職」だ。ここでは親を介護した経験のある全国の正社員が調査対象となっている。
まず、介護離職の理由として、「自分以外に親を介護する人がいない」ということを挙げた人が離職者全体の2割強を占めた。先ほど述べたような、少子化によるきょうだい数の減少の影響がここにも見られる。当然ながら、要介護度が高いケースほど離職後に無業になって介護に専念する傾向が強かった。
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