リニアの工事と密接な環境問題。資料や取材を基に、可能なかぎり、JR東海の取り組みをまとめてみた。
まず問題の1つは「水資源」だ。JR東海が南アルプスで計測した結果、工事後に大井川の一部で減るとみられる水量は毎秒2トン。地盤に履工コンクリートや防水シート、薬液注入をし、出水の抑制に努めるが、そうした効果は試算に反映しておらず、もっと値は小さいという。
現実に山梨の実験線の周囲で起こった“水枯れ”はどこまで把握しているのか。これに対しては「工事によって地表を流れる水が減ったところは何カ所かある」(JR東海)と認めている。そのうえで「飲料水や農業用水で困らないように、まずは応急的に代替水源を確保する」(同)と回答した。
具体的には、(1)トンネル掘削で発生した湧き水を簡易水道に戻すなどの応急処置、(2)場所や深さを変えた井戸の掘削などの恒久措置であり、それでも難航した場合、(3)補償に応じるという。
もう1つは「発生残土」の問題だ。工事で生じる土砂は7都県で約5680万立方メートル。これは“建設発生土”で、廃棄物として扱われる“建設汚泥”を加えると、約6358万立方メートルになる。水分を含む汚泥の場合、定義上は発生土に入らない。
この記事は有料会員限定です
残り 367文字
