「オミクロンと花粉症」似た症状を区別する方法 「咳や鼻水」抗アレルギー薬で対処していいのか

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発熱もオミクロン株では37.5℃以上となり、筋肉痛を伴うこともよくありますが、花粉症では熱っぽさが単なる倦怠感にとどまることが多く、熱があったとしても37.5℃を超えない軽度なものです。

また鼻水は、オミクロン株では粘り気のある黄色や緑色のものになりやすい傾向がありますが、花粉症ではサラサラとした水っぽい鼻水が特徴的です。

のどの痛みについても、オミクロン株ではイガイガした「痛み」がメインであるのに対し、花粉症では「かゆみ」「不快感」と表現される、痛みとは少し違った症状となります。

また、症状が悪化するタイミングも区別のポイントになります。花粉症は、花粉がよく飛ぶ晴れた風の強い日や湿度の低い日、また雨上がりの朝に悪化しやすい特徴がありますが、オミクロン株ではそのような天候の要因は関係しません。室内に移ると症状がおさまることも花粉症の特徴といえるでしょう。

早めに症状を抑えることが大切

このように、さまざまな視点から花粉症かオミクロン株かを判別することができますが、不安な場合は、まずはかかりつけの内科や耳鼻科、保健所に電話で相談しましょう。この時期に病院を受診することは、オミクロン株への感染リスクを考えると憚られる面もありますが、花粉症であれば早期にアレルギーの検査等を通じて診断を受け、早めに症状を抑えることが大切です。これによって公共の場で咳やくしゃみをせずにすむだけでなく、万が一オミクロン株に感染したときにその初期症状を見逃しにくくなります。花粉症の治療薬である抗アレルギー薬は花粉が本格的に飛び始める前から飲むことが効果的とされており、今の時期でもまだ間に合います。

さらに、予防に関しては、花粉症もオミクロン株もマスク着用が有効です。さらに帰宅後はすぐにうがい、特に鼻うがいをすることも効果的です。花粉症では鼻の粘膜についた花粉、オミクロン株では鼻やのどに付着したウイルスを洗い流す効果が期待できます。また新型コロナウイルス対策はこまめな換気が重要ですが、花粉が室内に入り込むデメリットもあるため、早朝や夜間に行うか空気清浄機の活用を検討しましょう。

なお、季節の変わり目であるこの時期の咳やくしゃみは「寒暖差アレルギー(血管運動性鼻炎)」かもしれません。室内と屋外の気温差が大きい場合、室内から屋外へ、またはその逆によって症状がひどくなる方はこの疾患の可能性があります。私の以前の記事【風邪でもないのに「せきやくしゃみ」が出るワケ】で予防や対策についてお伝えしていますので、ぜひ参考にしていただければと思います。

新型コロナウイルスに加えて花粉と、外出自粛の要素が増える春の季節ですが、誰もが安心して外出できる社会を目指して、基本的な感染対策を続けていきたいものですね。

上原 桃子 医師・産業医

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うえはら ももこ / Momoko Uehara

横浜市立大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構理事。身体とこころの健康、未病の活動に尽力し、健康経営に関する医療系書籍の編集にも関わっている。医師と患者のコミュニケーションを医療関係者、患者双方の視点から見つめ直すことを課題とし、とくに働く女性のライフスタイルについて提案・貢献することを目指している。

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