「興味ない仕事」任されて悩む人に教えたい突破口 たった1つでいいから「共感」できる点を見つける

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例えば、同じゲームを作るにしても、「ユーザーはこういうのが面白いと感じるんだよね」という「理解」を前提にしている人と、「こういうのがあったら面白いよね!自分だったら徹夜でやっちゃうな」と「共感」を前提に考えている人とでは、生まれるアイデアやアウトプットがかなり変わってきます。後者の人が担当したほうが面白いゲームになりそうなことは、容易に想像がつきますよね。

僕自身も、自分が面白いと感じているものに対しては、「じゃあ次、こういうのやったら楽しいよね」とすぐに具体的なアイデアが降ってくる感覚があります。しかも、感情的にピンと浮かぶ。

また、何か問題が起こったときも、前向きに解決策を検討できるだけでなく、「こうすればもっと面白くなるんじゃない?」とさらに良いアイデアが湧いたりする。こうなると仕事がどんどん進みます。

本当の意味で「自分事化」するには、やはりこの「共感」が大事なポイントになる気がしています。

どこか1つでいいから「好き」「面白い」を見つける

しかし、共感の域に達するのは難しい。本当の意味でここまで行けるのは1割くらいでしょうか。自分が元々好きなジャンルの仕事をするときはいいのですが、いつも好きなものばかり担当できるわけではないからです。

特に会社員の場合は、まったく興味がない仕事や不得意ジャンルを突然任される、ということが珍しくない。今では総合プロデューサーを務めている『アイドルマスター』にしても、プロジェクトに参加した当時の僕にとっては未知の世界でした。

そんなときはどうすればいいか。まずは、先ほどお伝えしたように、その仕事について「理解」することです。それができたら次に、どこか1つでいいから自分が「好き」「面白い」と感じるポイントを見つける。

すべてに共感するのは難しいとしても、たった1カ所でいい、と言われたら見つかる気がしませんか。例えば、「女性アイドル」というジャンルには興味がないけれど、あのアイドルが卒業ライブで言っていた言葉には感動したとか、アイドルとしての彼女はよく知らないけれど、雑誌で紹介していた私服がすごくかわいかったとか。そういう経験なら比較的、誰にでもあるのではないかと思います。

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