ダイヤ改正で減便でも「逆に便利になった」路線 接続路線とパターンが一致、乗り継ぎが楽に

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東急では、大井町線も田園都市線に合わせて20分サイクルのダイヤとなり、20分間に急行1本、各駅停車3本の体制へと変わった。

このダイヤ改正により急行・各駅停車ともに毎時1本ずつ減ったものの、いいことも起きている。大岡山駅で毎時3本の急行のうち1本が上下ともに目黒線の急行と接続するようになり、目黒―二子玉川間が最速15分、武蔵小杉―大井町間が最速16分と、従来より3~6分短縮された。大井町毎時43分発(大井町線急行)は目黒44分発(目黒線急行)に、二子玉川毎時36分発(大井町線急行)が武蔵小杉毎時37分発(目黒線急行)に接続する。ただ、とくに後者はわずかでも遅延すると接続できない場合が多いので注意が必要だ。

減便はしていないが、JR線で接続が改善された例も紹介したい。

筆者は以前、「駅時刻表には表れない『便利な路線の見分け方』」という記事で、「大宮駅での湘南新宿ラインと上野東京ラインの同一ホーム接続」を訴えたが、今回のダイヤ改正で一部だがこれが実現した。毎時43分(一部時間帯は異なる)に発車する宇都宮線内発の湘南新宿ライン快速と上野東京ラインが同じホームで接続するようになったのだ。

これにより、宇都宮線快速停車駅から東京方面各駅への所要時間は10分ほど短縮された。これだけでも大きな前進だが、接続するのはどちらも宇都宮線内発の列車だ。できれば高崎線内発・新宿方面行きと宇都宮線内発・東京方面行きなど、方面が違う列車同士の接続を検討してほしいところである。

残念なケースもあるが…

いかがだったであろうか。今回のダイヤ改正で田園都市線・大井町線は減便されたものの、接続する各線とダイヤのパターンが一致したことによって、列車によって乗り換えの待ち時間が大きく変わることはなくなり、利便性が向上したと筆者は考える。

ただ、いいことばかりではない。同じ東急の路線ながら、目黒線は15分サイクル、大井町線は20分サイクルのダイヤに分かれてしまったのは残念である。

2022年度下期には、東急線と相鉄線の直通運転が始まる予定だ。相鉄直通をきっかけに目黒線と東横線は10分サイクルのダイヤになるだろうか。接続する路線同士のダイヤパターンが一致していれば、時間帯によって発車時刻や接続するかどうかが微妙に違うといった不便はなくなる。鉄道各社には、さまざまなダイヤサイクル長の路線と親和性が高くなる、汎用性の高いパターンの研究をしてもらいたいと思う。

北村 幸太郎 鉄道ジャーナリスト

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きたむら こうたろう / Koutaro Kitamura

1989年東京生まれ。2008年昭和鉄道高等学校運輸科卒業、2012年日本大学理工学部社会交通工学科マネジメントコース卒業。乗り鉄、ダイヤ鉄。学生時代は株式会社ライトレールにインターン生として同社の阿部等社長のもと、同社主催の「交通ビジネス塾」運営などに参加。

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