深刻化する米国内の両極化
――今回の大統領選の結果についてどのように考えていますか。
米国の民主主義のシステムは機能したと思う。過去を振り返れば、失敗した大統領がいる場合、米国の有権者は反対党の候補に投票してきた。ウォーターゲート事件の後のカーター氏、カーター氏の後のレーガン氏、湾岸戦争の後のクリントン氏がそうで、今回もそうだと思う。米国の民主主義はまだ復元力があることを示した。
しかし、今回の僅差の選挙結果が意味するのは「トランプなきトランプ主義」だ。つまり、白人ナショナリズムやポピュリズム、排外主義、差別主義といった「ダークサイド」と呼ぶべき運動は生き残ったということだ。
トランプ氏がいなくなっても、内向きのアンチ・ワシントン、反エリート主義の部分は残っていて、今後も引き続き両極化が進んでいくのではないか。大統領を替えることはできたが、より深刻な問題である両極化を止めるほどの力はなかった。
今後、バイデン氏のもとで米国民の団結と癒やしがどこまで進むか。一部で言われる暴動が続発するなどというのは、アメリカの民主主義を過小評価していると思う。
この記事は有料会員限定です
残り 574文字
