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財政検証後の年金改革、次は何を目指すべきか 拠出期間延長と受給開始時期の延長が焦点に

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  • 土居 丈朗 慶應義塾大学 経済学部教授

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今年6月、政府の年金政策に抗議するデモ行進が都内で行われた(写真:ZUMA Press/アフロ)

厚生労働省は8月27日、公的年金の財政検証結果を公表した。5年に1度の検証結果が参院選前に公表されなかったことで注目が集まっていただけに、早くも賛否さまざまな意見が出ている。

政府は、「公的年金は『100年安心』といえる結果が示された」と胸を張りたい様子だ。これに対して野党は、楽観的な経済前提から出た結果であり、「まったく安心でない」と批判している。政府の試算を信用していない国民からも同様の声が出ている。

結論から言うと、どちらの立場であっても、今回の検証結果は多くの国民が公的年金制度は安心できると感じさせるものではないことだけは確かだ。

年金制度を変えなくても「100年安心」なのか

政府も、所得代替率が50%を下回らなかったから、年金改革を今後一切しなくてよいと結論づけたいわけではない。今回の検証結果を国民に示し、「制度を変えなくても大丈夫」と言いたいわけでもない。

これまでも財政検証の結果を受けて、年金制度を大なり小なり改正してきた。菅義偉官房長官も公表翌日の記者会見で、「年金制度の見直しを進める」という趣旨の発言をしている。

ただ、安倍政権は「ショック療法」を忌避する傾向が強い。「年金財政は危機的だから改めなければならない」という手法を極端に避けたがっている。それは、年金財政を危機的にした責任者は誰か、と追及されたくないこともあるが、「年金財政が危機的だ」と聞いただけでそれ以上の議論を受け付けられない有権者が多いと政府が認識している節がある。

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【次の年金改革の方向性は何か】

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