『問題のある上司を人事部に報告するのはアリ？』（４２歳・男性） 城繁幸の非エリートキャリア相談

終身雇用の崩壊、成果主義の導入などにより、日本人の「働き方」は激変。その結果、自身のキャリアに迷えるビジネスパーソンは増えていくばかりだ。これまでの古い「昭和的価値観」から抜けだし、新たな「平成的価値観」を身に付けるためにどうすればいいのか。日本の人事制度を知り尽くした城繁幸氏が、あなたの悩みにお答えします。

CASE：２３

『問題のある上司を人事部に報告するのはアリ？』（４２歳・男性）

＜相談者の悩み＞

　お世話になります。流通業勤務の４２歳（既婚：男）です。中部地区の郊外型販売店で主任をしております。

　職場は正社員数人にパート・アルバイト２０人という構成で、私は実質的に彼らパートさんをまとめる立場です。上司としては常駐の店長と、複数店を統括するエリアマネージャーが存在します。

　人事制度は年齢給主体のごく一般的なもので、一応査定はありますが、ほぼ勤続年数に応じた処遇がなされています。
　
　さて、今回相談したのは、今の上司である店長についてです。彼は基本的に熱意が無く、できるだけ省エネで仕事を流すことにだけ集中しています。だから、部下からの提案や改善策にも消極的で、本部から言われたことだけは“仕方なくやる”という有様です。
　
　上司という意味でも、まったくマネジメントらしいマネジメントはしていません。報告があったら書類にハンコを押す程度。先に「一応査定はある」と書いたのは、この上司が成績通知や評価面談などを一切やらないため、具体的な評価基準がまったく現場にはわからないのが理由です。

　ここまでならどこの会社にもいそうな上司ですが、困ったことに、この春から人事制度が一部変更になり、店舗の業績によって、一時金の原資や従業員の昇格が決まる仕組みが導入されてしまいました。つまり、予算達成率が低い店舗にいるだけで、ボーナスが減ったり、出世がしにくくなる仕組みです。今の上司の下では、ものすごく貧乏くじをひかされる羽目になりそうです。

　そこでお聞きしたいのは、こういった実情を、直接本社の人事部門に報告したとすると、きちんと対応を取ってもらえるのでしょうか？上司に伝わること自体は問題ありません（他の従業員やバイトも同じ意見ですから孤立はしません）。ただ、他に効果的なアプローチがあるのなら、お聞きしたいと思って相談した次第です。