ランキングで平均年収1000万円を超すのは、1位の日本商業開発(1368万円)を筆頭に、2位九州朝日放送(1316万円)、3位ケネディクス(1107万円)、4位東北放送(1034万円)、5位サンケイビル(1013万円)の5社で、不動産とテレビ局が占めた。さらに不動産3社は新卒3年後定着率も100%だ。
日本商業開発は、商業施設建設を前提に底地を取得し、テナント誘致後に売却するビジネスを手がける。初任給はなんと50万円と大手企業を大きく上回る水準だ。サンケイビルは、傘下にフジテレビがあるフジ・メディア・ホールディングスグループに属しており、グループの業績を支えている存在だ。
年収800万円以上の28社を業種別で見ると、上位3業種は、不動産業9社(1位日本商業開発、3位ケネディクス、5位サンケイビル、6位平和不動産、8位ダイビル、9位東京流通センター、10位日本土地建物、17位京阪神ビルディング、26位ムゲンエステート)、建設業7社(18位コーナン建設、20位日比谷総合設備、21位菱機工業、22位不動テトラ、25位ショーボンド建設、27位大成設備、28位オリエンタル白石)、テレビ局4社(2位九州朝日放送、4位東北放送、16位高知放送、24位新潟放送)と好調な業界と規制業種となっている。
不動産やテレビ局、建設に好待遇企業が目立つ
ランキングに掲載した会社の新卒採用数は少なく、2015年の新卒採用者数の平均は10.8人だった。最も多い採用者数は、77位中部テレコミュニケーションの45人。同社は中部地方5県で各種通信サービスを提供している。最も少ない採用者数は1人で、16位高知放送など14社となっている。
新卒3年後定着率が100%の企業は半数以上の118社となっている。対象が多い業種は順に、化学14社、不動産12社、商社・卸売業11社である。大手企業の子会社だけでなく、独立系の企業も多い。
従業員規模が大きくない企業にとって、新卒採用や入社後の教育は、一般的に負担のかかるもので定着率も大手企業に比べて低い。その中で、採用数が少なく3年後定着率が高い会社は、働きやすい職場環境を整備するとともに、人材育成を行っているものと推察される。
ランキングに掲載した会社は、就職活動生にとって知名度が決して高いとはいえず、会社研究の対象となった会社は少ないだろう。超大手企業、大手企業だけでなく、中堅・中小企業にも目を向けてほしい。
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