韓国で起きている反「旭日旗」現象の実態 映画「ボヘミアン・ラプソディ」にも飛び火

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このように、繰り返し起こる旭日旗問題。韓国では旭日旗はナチスドイツのハーケンクロイツとともに"戦犯旗"と呼ばれ、戦争犯罪を象徴するものとされているが、法律で規制があるかというとそういうものはない。実際のところ、旭日旗禁止法はことあるごとに発議されてきた。2013年には当時の与党セヌリ党から発議があったが通らず。また去年の10月、済州島で行われた国際觀艦式で日本の自衛艦が旭日旗を使用するかどうかで問題となった際にも立法化の提案があったが未だ実現されていない。つまり旭日旗問題は、あくまで感情論として韓国のネットを中心に問題が炎上し、それを追うようにメディアで報道され謝罪や修正が繰り替えされているようだ。

しかし民間レベルでは規制に向けた動きが出ていて、2018年12月12日、前述のソ・ギョンドク教授が「全世界学校旭日旗退治キャンペーン」を開始すると宣言した。カナダのある学校の壁に描かれた旭日旗を在カナダ韓国人たちの働きかけによって消した"反旭日旗運動"をきっかけとして、世界各地の旭日旗デザインをなくそうというキャンペーンだ。ソ教授は、旭日旗問題を解説した冊子や映像を作り、またニューヨーク・タイムズに意見広告を出すことなどを準備中だという。

スペインの「ファンシネ映画祭」のポスター。当初作成されたもの(左)と、韓国からの抗議を受けて修正されたもの(右)(画像:韓国ウェブメディア뉴스컬처よりキャプチャ)

旭日旗問題は、日本や韓国以外の海外でも頻繁に起こっている。2018年11月スペインで開催された映画祭の公式ポスターについて韓国国内で批判が集中した。紅白の放射線の背景に招き猫が描かれており、韓国映画『Monstrum(物怪)』も招待されていた映画祭だったから、韓国内でも報道されて問題視されたようだ。

韓国では旭日旗に似たデザインはつねに非難の的

ほかにも、2018年4月に初韓国公演を行ったアメリカバンドOneRepublicのリーダー、ライアン・テダーがSNSで自身の旭日旗柄タトゥーをアップしたことが問題となったり、2月にはイギリスの歌手エド・シーランの広報映像が放射線の背景であることから旭日旗を連想させると非難されている。また、歌手エリック・クランプトンの2016年東京公演記念ポスター、イギリスのバンド、ミューズのミュージックビデオ、歌手ビヨンセが着ていた服など、韓国のネットでは旭日旗に似たデザインは常に非難の的となっている。

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