三菱地所、上尾マンション「損切り」の顛末 マンション市場で進む「寡占化」と「すみ分け」
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「このたび、計画を見直し販売を見送ることとなりました」
9月、埼玉県上尾市で分譲予定のマンションが、突如中止となる珍事が起きた。
突然の分譲中止、だが建設は続行
渦中のマンションは、三菱地所レジデンスが手がける「ザ・パークハウス上尾」。JR高崎線上尾駅から徒歩7分の場所に、全183戸の大型マンションが計画されていた。「今年9月にはモデルルームがオープンする予定だと聞いていた」(地元住民)。当時の価格は公表されていないが、「上尾の水準からしても手頃な値付けを見込んでいたようだ」(地元の不動産業者)。
現場ではすでに工事が始まっており、販売主である三菱地所レジデンスのホームページでは数カ月前から資料請求を受けつけていた。上尾駅前ではうちわを配ったり、駅構内に大きな看板を掲げていたりと、宣伝にかなり力を入れているようだった。
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ところが、9月から10月にかけて資料請求者宛てに三菱地所レジデンスからマンションの分譲中止が送付された。同社のマンション販売準備室の担当者でさえ、「われわれも直前まで知らなかった。パンフレットも刷ったし、モデルルームも建てちゃったんですけどね……」と苦笑するほど、青天の霹靂だった。
不可思議なのは中止のタイミングだけではない。分譲は中止されたが、マンションの建設自体は今も三菱地所レジデンスが粛々と続けている。そして竣工後は中堅デベロッパーのタカラレーベンへと引き渡される予定で、この12月からは「レーベン上尾 GRAN MAJESTA」ブランドで分譲が始まる。
中止騒動の背後には何があったのか。
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