フェイスブック｢リベラルすぎ｣と社員が不満 政治的思想の多様性を求める声も

同社はまた、ドナルド・トランプ大統領やテキサス州選出の共和党上院議員テッド・クルーズなどによる保守的な演説の投稿を妨害したとして、非難されている。8月には、右派で陰謀論者として知られるアレックス・ジョーンズの投稿を削除したことで、反保守に偏っていることを改めて示したと批判された。

フェイスブック社内でも一部のアカウントを削除したことについて議論が生じていると、複数の社員が明かした。社内ミーティングの際に、会社として禁じる内容やその理由についてより詳細なガイドラインを繰り返し求める社員もいるという。

偏向的と見られることを恐れ、フェイスブック上であまりに多くの右派グループを活動させているとの意見もある。

ピーター・ティールの取締役辞任求める声も

社員の政治イデオロギーについての議論が起こったのは、シェリル・サンドバーグ最高執行責任者（COO）が上院の公聴会でソーシャルメディアを使った選挙操作について証言する予定の1週間前のことだ。証言の準備に携わったチームはサンドバーグに、複数の共和党議員がフェイスブックとバイアスについて質問する可能性があると警告したと、準備にかかわった2人の人物は語った。

8月28日にはトランプ大統領がIT大手がバイアスをかけているとして、グーグル、ツイッター、フェイスブックを名指しで攻撃。3社は「非常に問題のある領域に踏み込んでおり、注意すべきだ。大半のアメリカ人にとって不公平だ」とツイッターに投稿した。

フェイスブックは以前から圧倒的にリベラルな企業と見られてきた。たとえば、ザッカーバーグとサンドバーグは民主党の政治家に献金し、移民改革を支持している。

フェイスブックは時に、上層部に保守派を置くことに苦労してきた。昨年には買収したVRデバイスメーカー、オキュラスの創業者パルマー・ラッキーがヒラリー・クリントンに不利な情報をネットで拡散する団体に寄付していたと報道され、数カ月後に彼はフェイスブックからの退社を余儀なくされた。

トランプ支持を公言しているピーター・ティールに対しては、フェイスブック取締役の辞任を求める声が上がっている。