甲子園は「炎天下で汗を流してこそ」なのか マツコ提案「高校野球を大阪ドームで」に賛否
「気象庁が『命の危険がある暑さ。一つの災害』と発表しましたが、開催日にはある程度、落ち着くとはいわれています。それでも平年並みか、平年を上回る暑さになると言います。
毎年、明らかに10年前、20年前とは気温や日差しの強さが増しています。今年はアルプススタンドで、いったい何人の人が倒れるのかと球場関係者も戦々恐々なんですよ」(甲子園球場関係者)
捨てきれない“甲子園”というブランド
地域ごとの高校野球連盟も炎天下での応援の自粛を求め、選手にも試合中の給水時間を確保するなど対策を行ってきたが、甲子園では対策が間に合うのか不安視する声が多いのだ。前出の球場関係者が言う。
「甲子園の選手のベンチ内には、冷房設備があるんです。2014年から導入されたスポットクーラーも今年は増設しています。熱中症対策の理学療法士も球場に待機させ、選手たちの安全確保を最優先に考えています」
と、ベンチ内の対策はできているようだが、応援席に関しては学校単位での対応策が求められる。また、一般席に関しては、自己責任で観てもらうしかないのが現状だ。
「応援スタンドには、地方大会のようなテントも出せませんし、炎天下、陽に照らされた観戦席の表面温度が80度くらいになりますからね。うっかりしていると火傷するほど熱くなっています。一人ずつの体調管理まで球場が気を配るのは困難のため、熱中症に注意するアナウンスを増やすのが精一杯かもしれません」
と、前出のスポーツ紙記者はいう。
年々、真夏の甲子園の気温問題は厳しくなっている。マツコ・デラックスも提案するように、試合をすべてナイターにするとか、100回大会を機に、大阪ドーム球場での開催にしたらどうか、という役員の声も出始めているという。
しかし、そこには簡単には決められない思いがある。
「高校球児が必死に目指してきた“甲子園”というブランドが障害となって、結論が出ない状態が数年続いているんです。炎天下で太陽の光を浴び、汗を流しながらボールを追う姿こそが、高校球児だという思いが捨てきれないんですね」(甲子園球場関係者)
まさに焼け石に水の対策となっているのが実情のようだ。観戦する際は、十分な水分補給と、無理のない観戦で100回目の甲子園を楽しんでもらいたい。
(取材・文:宮崎浩)
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