「Quiet revolution」は日本のオフィスを
変える
岡村製作所
ひとりで集中できる環境が
今のオフィスには不足している
問題は、これまでフォーカスされていなかった内向型人間の働きやすさを、オフィスのどこに求めるかということだ。
「当社の調査によると、オフィスワーカーの77%はまわりの人との仕切りのない島型対向式の執務環境で働いています」というのは、同社プロジェクトデザイン部の後藤敏和部長。
「この方式はスペース的に最も効率がよく、且つ組織変更等による人員増減にも柔軟に対応できるので、ランニングコストが抑えられるメリットがあります。しかし、どこに行っても同じ環境で、それが本来の業務にとって本当に効率的なのかという疑問もありました。また島型対向式やオープンオフィスは、仲間とコミュニケーションをとりながら仕事をするには適していますが、ひとりでじっくり考えるような仕事には課題もあります」
たとえ外向的な人であっても、ひとりで考えたいときはあるし、他人に邪魔されず自分の仕事に専念したいと思うこともある。
残念ながら、これまでの日本のオフィスはそうしたニーズに応える環境が少なかった。すなわち、ここに着目することが“革命”の最大ポイントとなる。
では、集中しやすい環境とは、どんなスペースなのだろうか。
まず、集中を妨げる主な要素は2つ。「騒音」と「他人の視線」だ。もちろん、人によっては「まわりが多少ざわついているほうが集中できる」「覗かれても構わないが、話し声は気になる」など、好みの環境がある。
これらを踏まえ、オカムラでは、ワーカーが集中しやすい環境を4つに分類(上図参照)。今後の新製品開発やオフィスレイアウトの提案に落とし込んでいくという。