タカタ破綻でも地元滋賀が「平常運転」のワケ

民事再生手続きとして異例の措置が取られた

完成車メーカーは部品ごとにその品質を認証して採用する。破綻を受け、下請けメーカーがタカタとの取引をやめれば、調達先の変更を迫られる。だが代替部品の認証にも平均で6カ月もの期間を要する。完成車メーカーの長期生産停止を避けるためにも、この例外措置が必要だった。

またタカタ自身の生産継続に不可欠な人材派遣会社や専門性を有するコンサルティング会社なども対象となった。

6月30日の説明会当日は、ちょうど月末の支払日だった。例外措置対象の部品メーカーの担当者は、「弁護士からの説明どおり、(通常なら破綻後には支払われない)売掛金の入金を今朝、確認できた」と安堵の表情を見せた。また同日の朝、同じく対象となった県内の別の企業に話を聞くと、「入金が確認できたので、今日の説明会には出席しない。新しい情報は特にないだろう」という淡々とした反応だった。

一部債権者から不満も

スカイマークや第一中央汽船など従来の民事再生手続きの事例では、100万円以下の少額債権者などに限って全額弁済する措置がとられた。

このため、「タカタのケースは線引きの部分にあいまいさが残る」(帝国データバンク情報部の内藤修・副課長)との指摘もある。実際、部品メーカーでも例外措置の対象とならなかった企業がある。対象外となった企業の担当者が説明会後、「でたらめな対応だ」と不満を漏らす場面もあった。

とはいえ、例外措置を使えず事業継続が困難となれば、再生スポンサーに選定された米自動車部品メーカー、キー・セイフティー・システムズへの事業譲渡も滞る。そうなると譲渡金がタカタに入らないため、結果、弁済率が下がり不利益を被るのは例外措置対象外の債権者となる。

「経済合理性を考えれば、例外措置を受けない企業もこの方法に反対しづらい」(前出の内藤氏)

当記事は「週刊東洋経済」7月22日号 <7月15日発売>からの転載記事です

タカタは銀行や完成車メーカーから支援を受けるため、足元の資金繰りに懸念はない。問題はこの先だ。

債権者は8月25日までに最終的な債権額を届け出る。完成車メーカーが求償するリコール費用は1兆円を超えそうだ。大半はカットされるものの、債権額を決めるということは、タカタと完成車メーカーの間でリコール問題の責任範囲を明確にすることと同義だ。この点で両者が争う事態もありうる。次のヤマ場がすぐそこに迫っている。

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