検証!金券ショップは交通費節約に効くのか 新宿で買うべきか、新橋で買うべきか

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比較したのは新宿の5店舗、東京の2店舗、新橋の10店舗。自由競争の原則でいえば同業者が乱立していればそこに価格競争が起きるはずだ。東京―新大阪の回数券(普通車指定席用)の場合、1枚当たりの正規料金1万3690円に対し、新宿5店舗では最低価格1万2750円、最高価格1万3200円となり、450円の差が出た。まったく同じ値付けをしている店はなく、新横浜―新大阪間も調べたが、こちらもバラバラだった。

逆に横並び感が強かったのは新橋。東京―新大阪間はどの店もおおむね1万2800~1万2850円。1万3000円台の店は1つも見当たらない。これでは商売が成り立たない店があるのではと心配になったが、比較してみると面白いことがわかった。東京―新大阪がいちばん安い店が、新横浜―新大阪の最安店、はたまた名古屋間のチケットも最安だったというわけではないのだ。それぞれの得意分野で勝負して、共存共栄しているのが新橋のビジネスモデルと見た。

筆者はこれまで「1エリアに複数の金券ショップがあれば見比べたほうがいいし、駅に近い目立つ立地にあるショップより、一本奥まった場所のショップのほうが安い傾向にある」というスタンスだったが、あまりに乱立すると価格競争も限界に達し、個別の商品競争に進むということだろう。

ただし、東京駅周辺に関しては目立つ通りのショップより奥まった店のほうが安い傾向にあった(ただし価格自体は新橋に軍配)。

なお、今回の最安価格は東京―新大阪が1万2750円(対正規価格で940円のディスカウント)。最安店は、新宿と新橋にこの同価格の店があった。もちろん季節や在庫等により価格は変動する。

今どきなら、手間暇を惜しまなければネットオークションでもチケットは手に入る。有効期限が近い券ならさらに安く手に入る可能性もあるだろう。

それから筆者はこんな疑問を抱いたことがある。「金券ショップの値段は地域で変わるとすれば、価格に厳しそうな大阪で買ったほうが安いのでは?」。もしそうなら往復分を東京で買わずに、帰りの分は大阪で買ったほうが安いのではと考えたわけだ。しかし、現在のところ、大阪が東京のショップより安い価格で売っている現場にまだ出合えていない。もし、大阪が安いわけではないとすれば、購入者の絶対数が東京のほうが多いからという理由だろうか。出張によく行くサラリーマンの方は、ぜひ大阪でのショップ価格を確かめてみてほしい。

JR東日本「えきねっとトクだ値」は割引率高し

JRの回数券はみどりの窓口や券売機で、乗車券と座席指定券に引き換えるが、新大阪までしか乗れないわけではなく、大阪市内有効となっていればその先まで乗り続けることができる。発着時間の制限なく割引料金で乗れるJR東海・西日本の会員制サービス「エクスプレス予約」では、東京(―新大阪間で1万3370円(EX-ICサービス。普通指定席)という価格だが、区間は新大阪までになる。そこから大阪あるいは梅田まで移動するには別に切符を買う必要があるわけだ。JRを使えばプラス160円、地下鉄で行けば230円が余計にかかる。エクスプレス予約は確かに安いが、新大阪から先までJRを乗り継ぐ必要がある人なら格安チケットのほうに十分利があるだろう(なお、エクスプレス予約には年会費1080円もかかる)。

会員サービスはJR東日本にもある。「えきねっと」がそれだ。会員限定の割引きっぷ「えきねっとトクだ値」は、お盆などの繁忙期でも利用できる(こちらは会費無料)。列車や座席に制限があるので、繁忙期は競争率が高いにしても新幹線などの指定席特急券+乗車券が10~15%引きになる。乗車日当日の午前1時40分までサイト上で申し込めて、みどりの窓口や指定席券売機で受け取れる(ただし、JR東日本・JR北海道・JR西日本の北陸エリアのみ)。

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