“起業力”をビジネスに生かす イノベーションを生む知識コミュニティ

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起業家活動を活性化させる知識コミュニティの発達

ここで重要なのが、コミュニティを形成するメンバーの範囲は企業内にとどまらないということだ。

「知識を核としたコミュニティを発達させ、新たな課題に対応できるメンバーを動員するために、職場をはじめ、学生時代の仲間、起業家仲間、取引先のネットワークを結合することが重要。しかし、日本では、たとえば学生時代のネットワークをビジネスに生かしているといえず、資源化できてない。これを改善するためには、経営者やマネジャーが、閉鎖的な日常業務の関係だけに人材を縛り付けておくのでなく、もっと社外でのネットワーキング活動を支援し、各自が情報を発信しあう関係を構築するような環境を整えることが必要です」(稲垣教授)。

結論としては、「起業家活動を活性化させるためには、単にインキュベーションという箱モノの施設を作るだけでは不十分。それよりも知識コミュニティをいかに作るかが鍵になる」ということだ。

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